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第1回「コピーライター」
記念すべき第一回目は、コピーライターという職業について語ろう。


今では信じられないが、約20年前、コピーライターのブームがあったのだ。今のIT社長と同じくらい・・・と言ったら嘘だが、とにかく人気職種だったのである。しかしコピーライター志望の馬鹿者(私もその一人)が増えた結果、職業としてのステイタスが大暴落し、今や絶滅しそうな勢いの不人気職種である。


その証拠に、「お仕事は?」と聞かれて、私が「コピーライター」と答えると、質問者は一様に困った顔をする。嘘ではない。たとえれば「親戚の子が、聞いたことのない大学に特待生で入った」と聞いた時のような「どう反応していいか分からない」顔だ。とりあえず「へぇ〜」と言ってみるが、それ以上に会話がはずむことはない。
思うに、コピーライターは中途半端なのだ。同じ日本語を扱う職業でも、小説家や記者、エッセイストなどは、自分の世界観や情報を文章で表現するというイメージがあり、素直に尊敬できる。しかしコピーライターは、販売促進の文章を書くのである。つまり、商品を売るための言葉を考える人は、誰もがコピーライターなのだ。資格もないし。今日からアナタが「私はコピーライター」と看板を出しても、誰も文句は言わないはずだ。「親戚の子」的な顔はされるかも知れないが。


その気になった人のために、今回は特別に、コピーライターに最も必要な素養を、一つだけ伝授しよう。それは、細かい失敗にこだわらないことだ。誰しも間違いはある。誤字脱字、誤変換、言い間違いは当たり前。人間だもの。コピーライターである前に、私たちは人間なのだ。失敗を引きずらず、すぐに頭を切り替えて次の仕事に向かう。この頭の切り替えの速さこそが、優れたコピーライターの条件なのだ。


事実、私は何度も同じ間違いをしているが、少しも懲りてないぞ。ま、人間としてどうかというのは別問題だ。


そして、もう一つコピーライターに必要な素養がある。・・・これを読んで「あれ? さっき『一つだけ』って言わなかったっけ?」と気づいた人、そんな細かいコトにこだわっていては、良いコピーライターにはなれないぞ。少なくとも、私の上司になってはいけない。お願いだから。

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