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第3回「新幹線の車内販売員」
今回は、新幹線の車内販売のお姉さんについて考えてみたい。


車内販売のお姉さんは、スゴい。何がって、実は人間のように見える が、彼女たちは人間ではない。ここだけの話だが、彼女たちは「高度にシステム化 されたロボット」なのだ。


たとえて言えば「店舗型のドラ●もん」といった感じ。


分かりにくいだろうか。


「ワゴンを押す鉄人28●」ではどうだ。


分かりやすさをどうこう言う前に、古すぎて伝わらなかっただろうか。


たぶん彼女たちは、あのワゴンに手を置いた瞬間、「車内販売システム」という店舗型ロボットに変身するのだと思う。


本当である。


彼女たちは、変身モノヒーローがメガネをかけたり、コンパクトを開いて変な呪文を唱えたりするかのごとく、毎朝コスチュームに着替え、エプロンを 締め、商品数を点検し、ワゴンに充填する。そして新幹線に乗り込んだ瞬間、彼女たちは操縦席にビルトインされるいわば、ガン●ムが動き出す瞬間である。「アム●、いきまーす!」なのである。「義父にも殴られたことないのにぃっ!」なのである。


分かりやすく説明したつもりだが、もうどうでも良くなってきてはいないだろうか。


たとえば、彼女たちを一つのシステムとして見てみよう。すると、そこには料金収受と料金・商品の交換、お釣りの計算をするという「販売系」機能が あることに気づく。同様に、商品の名前と車内を歩き回る意図をお客さんに分か りやすく、かつお客さんの眠りを妨げないように伝える「伝達系」機能もあ る。時には『熱いのでお気をつけください』と言い添える「「PL対策系」など、さまざまな機能が複雑に連携したていることが分かる。
もちろん、それだけではない。


あの前後左右上下という3次元の全方向に揺れる車内で、まっすぐに進むという「動力系」機能が極度に発達しているのだ。しかも正面から人が来るという緊急事態に際しては、周囲の状況と相手の歩く速度、横幅などを瞬時に計算 し、速やかに道を開ける「危機管理系」まで、現代の最先端テクノロジーをもっ てしても到達できない超高度な制御を軽々とやってのけるのである。


これは、まさに「未来ロボット型複合店舗システム」と呼ぶにふさわし い。


しかし、この未来ロボットにも問題がないわけではない。


たとえば、お客さんにお釣りを手渡すときにナチュラルな笑顔を提供する「癒し系」、身体を傾けて眠りこけるお客さんの頭にワゴンを激突させないように気を配る「気配り系」といった機能がもう少し強化されると嬉しいのだが。


それは、まだ現代のテクノロジーでは解決できない問題に違いない。いつかこの問題が解決される日は訪れるのだろうか。

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