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第4回「葬儀MC」
現在、日本で最大の「悪人」といえば、ホリ●モンでも村●ファンドでも福●総裁 でもない。現代日本の諸悪の根源は「少子高齢化」という厄介者だ。年金も教育も労働問題も、果てには私のイビキがうるさいのも、少子高齢化が原因だと言われたら納得してしまう。それくらい、あなどれない存在なのだ。

しかし、少子高齢化がすべて悪かというと、特定の業界にとっては最大のビジネスチャンスとなり得ることも確かである。

その最も顕著な例が、葬儀業界である。

今後、ますます老人が増えることは間違いない。すると、葬儀の数も確実に増える。だから今、最も急成長の可能性を秘めているのが葬儀業界である。不謹慎などと言ってはいけない。これは厳然たる事実なのだ。

え? 「葬儀の前に、高齢者向けにさまざまなビジネスがあるだろう」って?

甘い。甘すぎる。今さらスピードワゴンだって突っ込まないほど「あま〜い」。老人たちにウケの良いビジネスなんて、競争が激しすぎて効率が悪すぎる。言ってみれば、数人の選手が集まって、一つのボールを蹴り合っているようなもの だ。それより(人生の)ゴール前で待ちかまえた方が、確実に得点のチャンスが 多いというものだ。これを専門用語で「オフサイドビジネス」と言う。グラッチェ。

そして、葬儀業界で最も注目すべきが「葬儀のMC」である。正しい職種名は違う気がするが、知らないから仕方ない。「進行役」というと冷たい感じだし、「案内役」だと三途の川まで行きそうな気がする。要するに、葬儀をとりしきる「司会者」だ。

何といっても、葬儀MCは精神衛生の面で優れている。

人間なんだから、誰もが常に同じテンションで生きているわけではない。時には辛く悲しい事があって、「もう二度と笑顔になんてなれない!」と叫びたい夜もあるだろう。そんな時も、葬儀MCなら無理に自分のテンションを上げなくていい。心で泣いて、顔でも泣く。精神的なストレスがかかりにくい。

それだけではない。

口のうまさで勝負しないから、口下手な人でも大丈夫。舞台俳優のような発音の良さや、トップセールスのような説得力は必要ないどころか、邪魔だ。だから基本的な式次第を覚えれば、発声練習やリハーサルなんて不要……なのではないだろうか。

えっと、完全な想像で書いているので、もしかして間違っていたら謝る。すまん。

謝った勢いでさらに書く。人の死に立会い、人の死を考えるということは、言い換えれば人の「生」について考えることでもある。それは、人としてとても意味のあることに違いない。だから、もっと多くの人が葬儀MCをめざせば良いと思う。

では最後に、葬儀MCになるために絶対必要な4カ条をご紹介しておく。

1.お坊さんの姿を見て、不用意に落語家や百人一首を連想してはいけない。
2.遺族の何人かが仏様と同じ顔をしていても、驚いてはいけない。
3.途中で棺桶が動いても、見ない振りをしなくてはいけない。
4.棺桶から何者かが出てきてキョロキョロしていても、
 「所定の位置にお戻りください」と小声で指示し、
 何事もなかったようにセレモニーを進行させなくてはならない。

これだけマスターすれば、あなたも明日から立派な葬儀MCだ。


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