仕事には「向き・不向き」がある。これは本人の能力や努力とは関係ない部分で、「この人はこの仕事に向いてない!」と誰もが思うケース。たとえば、頭ツルツルのスキンヘッド(早い話が「○ゲ」)の人は、増毛剤の営業に向いていない。説得力がないからだ。
スポーツクラブのインストラクターも、それと同じだと思うのだ。お客さんは「健康になりたい」とか「ダイエットしたい」といった明確な目的を持ってクラブに来ているのに、インストラクターが不健康に太っていたり、死にそうに痩せた男だったりしたら、そこに説得力はあるだろうか。いや、ない。……と思っていた。つい先日まで。
しかし最近、それは間違いだと気づいた。
たとえば、とても健康的に鍛え上げられたボディを持つ、さわやかなインストラクターばかりが集まったスポーツクラブがあるとしよう。見渡す限り、しなやかで弾力のある筋肉が歩き回っている。一方、その中心で汗を流しているメタボリックな自分はどうだ。「体脂肪率と血圧なら、インストラクターに勝てるんだがなあ……」と、笑えない負け惜しみを言うしかないではないか。客に劣等感を抱かせてどうするんだ、という話だ。
もちろん、そんなインストラクターを目標として客が頑張るという効果があるのは分かる。しかし、そんな健康さわやかムキムキ男ばかりのクラブには「癒し」がない。
そこで私は提案したい。これからのスポーツクラブには「癒し」が必
要だ。
想像してほしい。屈強でさわやかなインストラクターに混じって、タレントの内山クンのようなキャラクターがいたらどうだろう。
「あなた、本当にインストラクター?」
「そうなんスよ〜。意外でしょ〜?」
「なんかスポーツやってたの?」
「まさか! この体型っスからね、もう腹筋でさえできないんスよ〜」。
「あははは〜。じゃあ、オレと一緒に頑張ろう!」
「そっスか? お願いしますよ社長!」
……どうだ。客は心地よい優越感の中で、すっかり癒されているではないか。
それだ。
どれだ。 |