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第24回客室乗務員

しかし、どうにも割り切れないのが「客室乗務員」だ。

そもそも、客室乗務員って何だ。飛行機の客室に乗務員がいるのは当たり前ではないか。では聞くが、飛行機の貨物室には「貨物室乗務員」がいるのか? じゃあパイロットは「操縦室乗務員」か? 言い知れぬ恨みを抱いた性質の悪い客室乗務員は「悪質確執客室乗務員」か? そして私は何を言っているのか?

素直に「スチュワーデス」と呼べばいいではないか。

スチュワーデスというのは、もともと船舶の女性司厨員(給仕)に由来する言葉で、由緒ある言葉である。しかし1980年代に始まったアメリカのポリティカル・コレクトネス(性差表現のない言葉への言い換え)という、早い話が「余計なお世話」によって歴史の闇の中に葬り去られようとしているのだ。

代わりに登場したのが「客室乗務員」であり、「フライトアテンダント」であり、「キャビンアテンダント」という味気ない言葉だ。だがそれはあくまでも航空会社側の理屈から生まれた言葉であり、お客さんには関係ない。

今まで、飛行機の中で「客室乗務員さん、コーヒーください!」と言うお客さんを見たか? 「フライトアテンダントさん、右主翼が壊れました!」と叫ぶ客がいたか? 「キャビンアテンダントさん、動くと人質を皆殺ししますよ」と脅すテロリストに遭遇したか?

少なくとも、どれ一つとして私は経験ない。

いやむしろ、これまで堂々と「スチュワーデスさん!」と呼びかけていたのに、今ではどう呼べばいいか分からず、自信なさげに「あのぉ……」と静かに自己主張する日々。

 

お客さんのことを考えたら、今すぐ航空会社は、もっと覚えやすくて、呼びやすい名前を採用するべきだと思う。

と言っても、誰もやってくれないので、私が自分で考えた。

頭文字をとるのだ。
客室乗務員の「K」と
フライトアテンダントの「F」と
キャビンアテンダントの「C」。

すべて並べてみたらどうだろう。

K・F・C。

いや、ケン●ッキー・フライド・チキンじゃないから。

「プロ野球選手の●●、KFC大好き発言に波紋」

「お笑い芸人の●●、競演のKFCをお持ち帰り!」

うーん。KFCと言えば言うほど、黒いフチの眼鏡をかけた白いタキシードの男が、笑ってこっちを見ている絵が浮かぶんですけど。

ま、いいか。

え? なぜって?

そりゃご隠居、飛行機も、チキンも、
どちらも「フライ」でございます。

……ええ、お後がよろしいようで。


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